担当コンサルタント:山田 亮
店舗展開もしている衣料品の小売会社からのご相談ですが、100名ほどの社員を抱えているにも関わらず、組織の基盤がまったくない状態でした。
各店舗の経営は店長に任せ、業績が悪ければ店をつぶす。社長は思いつきで事業を広げてしまうので、事業セグメントもバラバラです。
店で売る商品も、バイヤーが買ったものをバンバン並べる。店長は、明日どんな商品が店に入荷するのかすら、わからないのです。なんでもある代わりに、これといった特化した商品もない。
これでは事業戦略も立てられないため、まずはこうした現状を改善することから始めました。
まず、お店のターゲット像やコンセプトを明確にします。さらに、商品の発注から入荷までの流れをわかるようにし、随時、情報が社長に上がるシステムを確立させました。
売上と粗利だけを見ていてた会計も、店舗の家賃や宣伝費といった費用を含めた管理基準を作り、新しい仕組みに則した人事評価システムも導入。
各マネージャーには研修を受けていただき、仕組みをしっかりと理解した上で、実践へと移していただきました。こうすることで、管理職の人間も育つことができます。
社員が20人程度の段階で組織のシステムを確立してしまえば、その後の規模拡大や展開も比較的スムーズにいくのですが、バブル景気の時代に、右肩上がりで一気に成長してしまった会社では、このような現状は少なくありません。
こうした場合、リーダーシップやマネジメントの資質を問うのではなく、それを発揮できる仕組みや環境作りが、何よりも重要だと思います。